熟年離婚と退職金の財産分与について

退職金は財産分与の対象になるか

近年、50~60代の夫婦の離婚が増えていると言われています。

結婚生活が長年続いた後に離婚する、いわゆる「熟年離婚」の場合、預貯金、生命保険、自宅といった夫婦共有財産の分与が必要になります。
そのときに見落としがちなのが「近い将来支払われる退職金は財産分与の対象となること」です。

ですが、まだ支払われてもいないし、会社が従業員個人に対して支払う退職金が、離婚の際、財産分与の対象になるのか疑問に思われる方がいるかもしれません。

しかし、結論として、熟年離婚の場合、今後支払われる予定の退職金も財産分与の対象になると考えられています。

その理由は、①法律上、退職金は在職期間中の労働の後払い的な性格を有すると考えられていること、そして、②在職期間に結婚生活を送っていたなら、配偶者の支えで働けたことで退職金が形成されたのだから、配偶者にも退職金に対する権利がある、と考えられるからです。

退職金からの財産分与額の計算方法について

それでは、将来支払われる退職金のうち、財産分与の対象となる金額はどのように計算されるのでしょうか。

この点について、実務上、決まった計算方法はありませんが、次のような計算方法によることが多いと思われます。

 ① 財産分与の対象となる退職金額  別居時に自己都合で退職した場合の退職金額
 ② 財産分与額  ①の退職金額×(婚姻期間/在職期間)÷2

例えば、夫の在職期間が30年、そのうち婚姻していた期間が24年、別居時の自己都合退職金額が1500万円だとすると、妻が受けられる財産分与額は次の通りになります。

1500万円×(24年/30年)÷2=600万円

退職金から財産分与を受ける方法について

では、高額になることもある退職金からの財産分与をどのようにして受け取ればよいのでしょうか。

もちろん、離婚するからといって、配偶者を退職させることはできませんので、退職金そのものから財産分与を受けることはできない場合が多いでしょう。

ですが、財産分与は、夫婦共有財産全体から受け取るものですので、退職金から受け取れる分を他の夫婦共有財産から受け取ることになります。

例えば、上の例で、夫婦共有財産にあたる預貯金が1200万円ある場合、本来、離婚時に預貯金を600万円ずつ分けることになります。

ですが、夫は将来退職したときに退職金を全額受け取る代わり、離婚時に預貯金1200万円全額を妻に分与すればよいことになります。

預貯金に対する妻の持分=1200万円÷2=600万円
退職金に対する妻の持分=600万円
離婚時に預貯金から妻が受け取る金額
600万円(預貯金の持分)+600万円(退職金の持分)=1200万円

退職金の支払いが近い場合や既に支払われた場合の問題について

離婚を考えている方から「あと数か月で夫の退職金が支払われるのですが、夫がそれを隠したり、浪費してしまわないか心配です。」「最近、夫が定年退職して退職金が支払われたのですが、夫がどのように使っているのかよく分かりません。」という相談を受けることがあります。

確かに、長年の仕事からの解放感や、在職中できなかったことをやりたくて、旅行や無駄な買い物で退職金を使いすぎてしまう場合があるようです。
また、夫も離婚を考えている場合、退職金の一部を隠してしまう場合もないとはいえません。

そこで、例えば、妻が離婚を既に決意していて、夫が退職金を使いすぎてしまったり、現金化する等して所在を分からなくしてしまう可能性がある場合、離婚に伴う財産分与請求権を守るために、退職金請求権や退職金が入金された預金口座の仮差押えを裁判所に申し立てる方法があります。

裁判所が申立てを相当と認めて仮差押命令を発令すれば、夫は退職金を使ったり動かしたりすることが出来なくなりますので、離婚に向けた話し合いを落ち着いて行うことができるようになります。

最後に

離婚と退職金の問題は、法律上、確定していない点が多いです。また、金額が高額になることが多く、慎重に判断する必要があります。
退職金の分与を受けるための手続も難しい場合がありますので、弁護士に相談することをお勧めします。

 

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